[青森/弘前]民泊申請時のどのケースで消防立ち合いが実施されるのか?
民泊を運営するにあたって避けて通れないのが、消防法令上の対応です。
住宅宿泊事業法(いわゆる民泊法)に基づく届出とは別に、管轄の消防署に対して消防用設備等の設置や届出を行い、物件の構造や、民泊運営の体制によっては立ち合い検査(消防署による現場確認)が必要となります。
この消防法令の対応においては、「消防署との相談だけですむ場合」「現地立ち合いが必要な場合」に分かれます。今回の記事では、民泊申請時に
「消防署の立ち合いが必要なケース」
「消防署の立ち合いが不要なケース」
を整理し、なぜそのような扱いになるのかを実務目線で解説します。

民泊している知人は立ち合いなかったけど、私のケースは必要なの?
どのように線引きされるか説明しますね

※今回の記事は青森県弘前市で実際に消防署と相談した際の内容を元に作成しています。実際には所轄の消防署毎に判断基準が異なることをご留意ください。
民泊(住宅宿泊業)申請の一連の流れの記事もありますので、是非ご参照ください。(記事リンク)
OSAYA行政書士事務所では、弘前市が中心のエリアで許認可取得や各種申請資料のサポートを行っております。
「調べてみたが自分で対応するのは不安」「忙しくて対応する時間がない」このような状況の場合は是非お気軽にご相談ください。
事務所住所:青森県弘前市青山5-13-3
電話番号:090-9494-0574
対応エリア:弘前市、黒石市、平川市、五所川原市、つがる市、青森市をはじめとした津軽地方全域
消防立ち合いがなぜ必要なのか?
民泊では、もともと住宅として使用されていた建物を、宿泊用途として利用します。
消防法では、宿泊を伴う建物は「不特定多数の者が利用する防火対象物」として扱われるため、場合によってはホテルや旅館と同等の消防設備の設置・届出が求められます。
消防署の立ち合いとは、
・必要な消防用設備が設置されているか
・届出内容と現地の状況が一致しているか
・避難経路や防火体制に問題がないか
といった点を、実際の現場で確認する検査です。
民泊申請における消防対応の一環として実施されるものとなります。
まず初めに
消防立ち合いの本題説明に入る前に、重要資料の説明です。
消防庁が公開している「民泊における消防法令上の取扱い等に関するリーフレット」 こちらは非常に重要な情報が記載されています。

出典:総務省消防庁ホームページ(リンク)
この資料は、民泊を運営する際に求められる消防法令上の対応や各種届出の手続きについてまとめたもので、消防署対応の実務判断を行ううえで最も基本的かつ重要な根拠資料となっています。
内容を理解したうえで申請・立ち合いの要否を検討しましょう。
消防署の立ち合いが必要な主なケース
その1:家主不在型民泊の場合
「家主不在型」の民泊とは、民泊営業中に届出者(家主)が現地に常駐しない形態を指します。
この場合、消防署では旅館・ホテル等と同等の宿泊施設として扱われるのが原則です。

※先程のリーフレットの2P目になります。(リンク)
そのため、消防法上は一般住宅ではなく「宿泊施設区分(防火対象物5項イ)」として判断され、特定防火対象物またはそれに準じる防火設備の設置が必要となります。
具体的には、次のような設備・対応が求められることがあります。
・自動火災報知設備の設置
・消火器の設置
・誘導灯の設置
・防火管理者の選任および届出
これらの設備が適切に設置されているかを確認するため、消防署による立ち合い検査が実施されるケースが多くなります。
※弘前市のケースでは立ち合いが必須です。
特に家主不在型の場合は「ホテル・旅館と同等に扱う」という前提があるため、消防署としても慎重に現場確認を行います。
その2:宿泊室の床面積が一定以上の場合
消防庁のリーフレットでは、宿泊室の床面積が一定の基準を超える場合についても、旅館・ホテル扱いとなる可能性があることが示されています。
判断のポイントは、主に次の点です。
・宿泊室として使用する部屋の合計床面積
・居室として使用する部屋が50㎡を超えるかどうか
※具体的な判断基準は自治体や消防署ごとに異なる場合があります。
家主が居住している場合であっても、宿泊室の規模が大きいと
「一般住宅」ではなく
「宿泊施設」
として用途判定されることがあります。
この場合、消防署による事前相談や立ち合い検査が必要となる可能性が高くなります。
その3:共同住宅等で他の住戸との消防設備評価が変わる場合
マンションやアパートなどの共同住宅で民泊を行う場合、建物全体への影響が問題となります。
たとえば、
・共用廊下
・階段
・避難経路
などについて、建物全体としての防火体制を確認する必要が生じます。
その結果、建物全体が「宿泊施設扱い」となる場合には、物件全体を対象とした消防立ち合い検査が実施されることがあります。
消防署の立ち合いが不要となるケース
家主居住型で床面積が一定以下の場合
家主が民泊営業中も現地に居住している「家主居住型民泊」の場合、条件を満たせば消防法上「一般住宅」として扱われることがあります。
主な条件は次のとおりです。
・家主が申請中も常に居住していることが「在不在」の定義に合致する
・宿泊室の床面積合計が消防庁のリーフレット等で示す一定面積以下である(例:50㎡以下)
これらの条件を満たす場合、消防署では全面的な宿泊施設扱いとはならず、立ち合い検査が省略される可能性があります。
もっとも、完全に確認なしで進むというわけではなく、事前相談の中で簡単な確認や助言を受け、必要書類を提出しなければなりません。
立ち合い検査までの一般的な流れ
民泊申請における消防対応は、概ね次の流れで進みます。
・管轄消防署への事前相談
・施設の用途(家主の在不在、床面積、建物構造)の説明
・消防法令上の用途判定
・必要な消防設備の設置
・消防用設備等の届出提出
・必要に応じて消防署の立ち合い検査
・是正指示があれば対応後、再度立ち合い
・消防法令適合通知書の交付
実務上の注意点
事前相談は必ず行う
消防署の判断は地域によって異なる部分があるため、本申請前の事前相談は非常に重要です。
この段階で立ち合いの要否や必要設備を確認しておくことで、後からの手戻りを防ぐことができます。
「在不在」の考え方は消防と住宅宿泊事業法では異なる
住宅宿泊事業法上の「不在型」と、消防法上の用途判定は密接に関連しますが、完全に同一ではありません。
消防署は、利用形態・設備状況・床面積などを総合的に判断します。
住宅宿泊事業法(民泊新法)では、家主不在でも「住宅宿泊事業」ですが、消防法上は「旅館・ホテル」扱いとなります。
建物全体への影響に注意
複数住戸や複数棟をまとめて民泊として使用する場合、建物全体の用途判定が変わることがあります。
その結果、消防設備や立ち合い検査の範囲が広がることがあるため注意が必要です。
まとめ
・家主不在型で宿泊室の規模が大きい場合
・消防法上、旅館・ホテルと同等に扱われる場合
これらのケースでは、消防署の立ち合いが必要となる可能性が高くなります。
一方で、
・家主居住型
・宿泊室の床面積が小規模
といった場合には、立ち合いが不要となるケースもあります。
消防署の立ち合いは形式的なものではなく、宿泊者の安全確保と火災予防のための重要な手続きです。
民泊申請を進める際は、早い段階で消防署と調整を行い、スムーズな申請・開業を目指しましょう。
この記事を書いたのはOSAYA行政書士事務所の佐藤卓也です。
事務所所在地の弘前市を中心として津軽地方全域で事業や生活に関わる行政対応をサポートしています。行政への書類作成や申請業務のフォローが必要な際は、いつでもお気軽にご連絡ください。


